スタッフブログ特別編(#3 豊南大橋 2/2)

2021年06月18日

スタッフブログ特別編 ブラリ橋(#3 豊南大橋 2/2)

このページは、スタッフブログ担当の当社女性社員が、「橋の魅力に触れる」をテーマに作成する「スタッフブログ特別編:ブラリ橋」です。

少し長めの内容になっていますが、普段何気なく渡っている橋をちょっとだけ専門的に眺めてみました。気軽に読んでいただければ幸いです。

さて、前回に引き続き「豊南大橋」にいます。前編(1/2)では、当社が設計を担当した制震ダンパーをみてきました。南海トラフ地震は、概ね100~150年間隔で繰り返し発生しているといわれます。
1946年に発生した昭和東南海地震から74年が過ぎ、南海トラフ巨大地震発生の切迫性がますます高まっています。だから、橋の耐震補強は老朽化対策と並んで、私たちの命や生活を守るとても大切な工事なのです。

さて、豊南大橋の話を続けましょう。豊南大橋は、前編で言ったように「三径間連続橋」です。
これまで「連続橋」の話題を出しながら、その中身について触れていませんでしたので、後編(2/2)では「連続橋の良いところ、悪いところ」をまとめてみたいと思います。

またまた、専門的な話になりますが、もう少しだけお付き合いください。

それでは、後編「ブラリ橋 #3 豊南大橋(2/2)」のスタートです。

連続橋は桁がつながっているというのは分かったのですが、そもそも連続橋の長所は何ですか。短所もありますか?

それじゃあ、できるだけ簡単に説明します。

連続橋の長所

まず、単純橋と違って、橋脚の上に支承を一列だけ配置すればいいというメリットがあります。
単純橋の場合は二列必要です。これは、支承の数を減らせるだけでなく、橋脚の幅も狭くできます。

次に二番目。橋脚の幅が縮小されることにより、洪水時の断面阻害が少なくなり、洗掘などの発生も少なくなる可能性があります。

そして三番目。  伸縮継手の数が少なくてすむため、伸縮継手の初期投資額や維持管理費を削減できます。また、走行性も改善されます。

四番目。桁中央部の応力が低減されるため、桁高を小さくできます。結果として、道路面を下げることができ、経済性が向上します。

また、同じ条件であれば、橋桁の長さを長くすることもできるので、橋脚と橋脚の間の距離(径間長)を広げることが可能になります。

五番目。景観性が向上します。桁がつながっていると橋がきれいでしょ。

少し難しい内容もあって、正直全部は理解できませんが、連続橋は長所が多いんだということは、よく分かりました。それでは、短所は何ですか?

連続橋の短所

まず、一番目は、構造設計が複雑だということです。今のように身近にPCがない時代は、構造解析が大変だったのです。それでも、前回の「吉野川橋りょう」のように、昭和初期に連続橋の建設に果敢に挑戦した例もあります。

「吉野川橋りょう」は、国内初の本格的な連続トラス橋として昭和9年に完成し、今も徳島と高松を結ぶ高徳線の運行を支えています。

もうひとつの短所は、連続橋における、構造設計の真髄とでもいうべきことなんだけど、橋台・橋脚が不同沈下した場合、部材に予期せぬ応力が生じ、致命的な結果を招く恐れがあるのです。

実はこれは、長大橋の建設が始まった頃、土木技術者が連続橋の建設を避けた大きな理由の一つです。まあ、昔は、川の中に信頼できる橋脚を築造することが難しかったということです。

ありがとうございました。もう少し深く知ろうと思えば、構造力学などの知識が必要なんですね。それは、それとして、吉野川の河口で橋がつくられているじゃないですか。見て帰りましょう!

賛成。次回は、もっと軽い話をお願いします。

帰りに、しらさぎ大橋が近くに見える堤防の上にあがってみました。しらさぎ大橋の下流には、現在建設中の15径間連続橋が見えます。上流側には吉野川大橋。目を下に転ずれば吉野川。天気が良い日にカメラを持って堤防にあがってみてください。絶好の撮影ポイントです。

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