スタッフブログ特別編(#2 吉野川橋りょう(高徳線)1/2)

2021年04月09日

スタッフブログ特別編 ブラリ橋(#2 吉野川橋りょう(高徳線)1/2)

このページは、スタッフブログ担当の当社女性社員が、「橋の魅力に触れる」をテーマに作成する「スタッフブログ特別編:ブラリ橋」です。

少し長めの内容になっていますが、普段何気なく渡っている橋をちょっとだけ専門的に眺めてみました。
橋の話題だけではありませんので、気軽に読んでいただければ幸いです。

今日は、「四国三郎」の異名で知られる吉野川に架かる鉄道橋、「JR吉野川橋りょう(高徳線)」に来ています。ここは、吉野川の河口から7.5kmの地点、川幅はおよそ1000m。

北岸(左岸側)には、スポーツや憩いの場として利用される広大な河川敷が広がり、休日には野球やサッカーなどを楽しむ人々の賑やかな声が響きます。

しかし、今日は平日、橋の下を覆う緑の芝生の上で、白い小型犬と遊ぶ女性の姿が見えるだけです。

かつては水を治めることの困難さが、藍作の奨励をもたらしたとされる吉野川。この橋の下を吉野川は雄大に、ときに荒々しく流れます。

高知県いの町の白猪谷(しらいだに)から流れ出た一滴の水は、山あいを下りながら四国を潤す豊かな水へと姿を変え、この橋をくぐる頃には、およそ190キロにも及ぶ長い旅を終えます。
三角形がつくる幾何学模様が美しい緑の橋に、大河吉野川が華を添えます。

な~んて、少しカッコつけて始まりましたが、今日は「吉野川橋りょう」で「ブラリ橋」。

さて、「吉野川橋りょう」は「那賀川橋りょう」と同じトラス橋ですが、ちょっとした違いがあります。その違いが、実はとても重要とか。橋脚と橋脚の間を径間と呼びますが、一つの径間に一つずつ桁を架けるのが単純橋の「那賀川橋りょう」。

それに対して「吉野川橋りょう」は、3径間に渡って桁を一つにまとめて架けています。桁を連続して架けるから「連続橋」、外観的には「単純橋」とほとんど差がないように見えますが、これがこの橋のアピールポイントなんです。

「吉野川橋りょうは、連続橋のパイオニア」。MSさんが呟いています。どういう事なんでしょう?

それでは、その話をと言いたいところですが、今日は写真撮影が長年の趣味という当社のKYさんがいっしょです。

そこで、まずはこの橋を撮影してみたいと思います。
何はさておき、KYさんのカメラをちょっと拝借。

白いレンズが付いたカメラ重~い。でも、野球場やサッカー場で見るプロカメラマンになった気分

KYさん
「フルサイズ一眼レフというカメラです。本体だけでも800グラム強、それに望遠レンズが付いているから2キロは超えています」

私のスマホカメラでも結構綺麗な写真が撮れるんだけど、何が違うのかなあ

KYさん
「スマホ写真は何故あんなに綺麗なのか?それを一言で説明するのは難しいけど、スマホカメラは高性能のコンピューターを備えた極小カメラのようなもの。

スマホの中にある映像エンジンと呼ばれるコンピューターが、小さいレンズから入る光の情報を使って画像処理をしています。

そして、スマホモニターに美しい映像として再現します。おまけに、最近のスマホはカメラが一つじゃないから、撮っている人が気づかないうちに複数の写真を撮って合成してる」

難しそう。結局は大きな用紙にプリントアウトしないのなら、スマホカメラで十分ということですね

KYさん
「まあ、一言でと言われればそういうことです。今日は、コンパクトデジカメとiPhoneも持ってきたので、『望遠写真』と『ポートレート(人物写真)のぼかし写真』を比べてみましょう」

ということで、今日はカメラの話しからスタートです。

橋に何の関係があるのと言われそうですが、橋は風景写真に取り入れる格好の被写体じゃないですか!少し大目に見て下さいね。

それでも「カメラなんか興味ないし」という方、あるいは「カメラのことなら任せて」という方、そんな方は「スタッフブログ特別編:ブラリ橋 #2 吉野川橋りょう「高徳線」(2/2)」へスキップしてください。

まずは橋脚の上に載っている支承(ししょう)と呼ばれる橋桁を承ける台を撮ってみます。一番北側の支承を狙います。そこまでは190mです。

ここからは、KYさんの解説です。

この四つの写真は、各カメラの最大焦点距離で撮った写真です。言い換えれば、ズームレンズを最大に伸ばして撮った写真。このことを光学ズームで撮るといいます。

一方、デジタルズームという用語がありますが、これはパソコンで写真を拡大するのと同じ。だから、拡大は思いのままですが、拡大すればする程画質が落ちます。

まず②のカメラの写真です。コンデジでも28倍光学ズーム(※1)、700mm相当の望遠というのは、なかなかの性能です。
昔の橋に使われているリベット(※2)の位置も見ることができます(そばに行って見ればいいのに! なんていうツッコミはやめてください)。

次に、①のカメラの写真です。このカメラは400mmの望遠レンズなので②より写る範囲が広くなるのは当たり前。400mmと700mmでは、この程度の画角の違いがあります。

もちろん、このカメラに700mm相当のレンズを付ければ、文句なしの高画質望遠写真が撮れるのですが、このカメラでそれを実現しようとすると「超望遠800mm単焦点レンズ」という物々しいレンズが必要です。

このレンズ恐ろしく高価なのです。いくらするかって?もし貴方がプロカメラマンを目指しているのなら、ご自分でお調べください。

③のカメラは、そもそも望遠を目的にしたカメラではないので比較自体に無理がありました(これを巷では「企画倒れ」といいます)。

さて、スマホカメラの高性能化は、とどまるところを知りません。しかし、望遠となると、物理的に大きいレンズが使えないスマホにとっては数少ない不得意分野と言えそうです。それでもiPhone11は2倍の光学ズームが可能です(※3)。

iPhoneで2倍ズームにした④の写真を見てください。実は望遠といっても普通のカメラからすれば、これくらいが標準です。つまり私たちが肉眼で見る風景に近いと言われる写真です。

要するに、普段撮っているスマホの写真は広角写真なのです。スマホ写真はピンボケしないなあと思ったことはありませんか。これがその理由です。

話がそれますが、iPhone11で撮った写真は空の色がとても綺麗です。実はこの日、中国北京は黄砂が深刻というニュースが流れていました。
徳島でも春特有の霞がかかり、青空が美しいと感じる景色ではなかったのです。

ところが、iPhone11は、仕事の合間に外出した解放感を知ってか知らずか(※4)、私たちの気持ちを代弁するかのように綺麗な青空を残してくれました。
これが、ユーザーから高い評価を得ようと、スマホカメラが密かに取っている戦略なのかもしれません。

次に、一眼レフカメラが得意な「ポートレートのぼかし写真」を撮ってみます。

一眼レフカメラで撮った①の写真、これが一眼レフの実力です。モニターでは分かりにくいですが、女性の髪が精密に表現され、背後のボケ具合が絶妙です。

②の写真はコンデジですから、普通に撮れば橋にもピントが合います。画像編集ソフトを使って、この写真に初歩的な「ガウスぼかし」という処理をしてみましょう。それが②の写真。この程度のクオリティなら編集ソフトで自由自在です。

撮影後のぼかし処理、これを自動でやってくれるのがiPhone11のポートレートモードです。
それが、④の写真。上手にぼかしています。

ところが、よく見て下さい。iPhoneは、腕と肩に挟まれた部分に写りこんでいる橋を腕の位置にあるものと判断して、ぼかし処理をしていません。ぼかし処理が後付けだということがよく分かる一枚です(※5)。

KYさん
「カメラの話、分かりましたか? とにかく、スマホカメラの進化にはびっくりです。カメラメーカーが苦境に立たされるわけです。それでは、カメラの話が少し長くなったので、橋の話へバトンタッチします」

ありがとうございました。思わず、橋の話をせずに帰るところでした。それじゃ橋の話に戻りましょうか

「スタッフブログ特別編:ブラリ橋 #2 吉野川橋りょう「高徳線」(2/2)」
へ続きます。

※1) 28倍ズーム

カメラメーカーのカタログに記載されている「◯◯倍光学ズーム」というのは、カメラの望遠性能を表す絶対値ではありません。広角側と望遠側の焦点距離の倍数をカメラごとに表わしたものです。つまり、そのカメラの広角側が25mmのレンズで、望遠側が100mmなら、4倍光学ズームとなります。

※2) リベット 

部材と部材を接合するのに用いる金属製の部品。軸部を接合する穴に差し込んで、余りの軸端をつぶして接合します。昭和40年頃までは、現場工事においてリベットが使われていました。

※3) スマホカメラの光学ズーム

最新のスマホには8倍光学ズームを備えたものもあります。さらには、スマホのレンズ部分に装着する望遠レンズも発売されています。

※4) 知ってか知らずか

伝統的用法は、『知ってか知らずでか』。今どきの日本語変換ソフトは見逃してくれません。

※5) ぼかし処理

写真の深度測定技術が向上しているため、最新機種のぼかし処理は優秀です。

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